CD制作費踏み倒し事件の概要

 

 2008年、長年の友人である小野道明(本裁判の参考人)の紹介で、I(仮名・本裁判被告、自称・業界人)からデモCDを作って欲しいと頼まれる。アマチュアの仕事は通常断るのだが友人のたっての願いもあり、安い金額でやってあげることにした。ところがウチの録音機材を見て本格的な録音が出来るとふんだのだろう、「デモではなく完全なオケ付きで10曲程度作って欲しい」と要請が変わった。この段階で制作費は100万以下では出来ないが大丈夫か、と友人を通じ訊いてみると「100万でも200万でも構わない」と制作を執拗に懇願してきた。
それに応じ当方は制作を開始する。
 その後、曲のアレンジ、仕上がりにIは自信を持ったのだろう。「私の地位を利用してアニメのテーマソングや挿入歌に使うから原盤を半分持ってくれ」と言いだす。
この段階でこのアルバムは完全に商業目的を持ち、それによって制作費はさらに上がった。だから原盤を半分こちらに持たせて制作費の圧縮を企てたのだろう。ミュージシャンが原盤を持つケースは稀だが既に制作費は400万程度にまで増えていたので「では200万円前後の支払いでいい」と先方の提示を受け入れた。
 ジャケットは長くビクター・インビテーションで数々のCDジャケットのデザインを担当していた当方レーベルスタッフが担当した。これも先方がこちらが制作した作品の数々を見て頼んできたことである。通常はロゴ制作含め80万円程度だが、僕の知り合い、しかもアマチュアということで破格の10万円で担当した(ロゴ制作も含む)。
作品は完成し出向まで済ませたが、制作費の支払いがない。再々請求しているうちにある日、先方の弁護士から「こちらには支払いの義務はない。権利も全てこちらに渡せ。さもないと詐欺、恐喝で刑事告訴する」という脅迫とも取れる書類が届いた。
やむなく当方は東京成功総合事務所代表の真貝暁弁護士(現UPTA顧問)に相談、解決を試みるも支払う気配すら無かったため告訴に踏み切った。
判決文の通り2年半に渡って争われた裁判の結果はこちらの概ね勝利。
ところがなんと先方は控訴してきたため高等裁判所に再審を持ち込むことに。
控訴理由は以下の3つ。

1.一審判決は東京地裁のでっちあげ。
2.白浜久はミュージシャンではない。
3.担当した裁判官が私事で忙しかったためにこうした判決が出た。
こんなものが控訴理由になるというのも凄まじいが、巷で言われている「ゴネ得」は本当であった。
僕の方も「輪るピングドラム」の発売時期で何かと忙しかったため示談でさっさと終わらせることにした。結局支払い命令の8割で落ち着いたのだが、こんな小学生の言い分で何で賠償金が減るのか未だもって疑問だ。しかも被告の地裁における証言の虚偽を証拠を添えて高裁へ提出さえしているのだ。
こうした事の積み重ねが検察、裁判所、ひいては司法全体が国民から信用されなくなったそもそもの原因なのだ。さらに付け加えるならば小泉改革で弁護士の数は増えたがその質たるや目を覆うばかりである。小学生並みの文章力に加え依頼人の利益のためなら職業倫理などさっさと捨て去り平気で嘘、脅しをかけてくる弁護士のなんと多いことか。
さて、本件資料は裁判中に知人のジャーナリストを通じ講談社にも持ち込まれ、記事にするかミーティングも持たれた。
ちょうど福島県知事贈収賄と障害者郵便制度の冤罪事件が問題になっていたので司法の堕落と題してシリーズ連載する中の一つとして検討された(中年のキ**イ女の戯言では記事にならない)。